たいへんな日々を過ごしています。

そんな中にも、感動が。

尊敬する大先輩とお話ししていた時のこと。

たまたまイプセンの『人形の家』の話しになりました。
私はこれは、女性の自立の物語だと思っていました。


「小雪さん、あのあと、ノラはどうなったと思う?」


私は中学の頃から戯曲集でイプセンの『人形の家』を読み、20代で文学座にいた頃、シアターコクーンで宮沢りえさんの舞台を観ています。

その後、私はフェミニズムと出会い、中学の頃には分からなかったけれど、これは女性の自立の物語なんだと、思っていました。今日まで。


しかし、ストール一枚で家を出たノラは、その後どうなったのか。


宮沢りえさんの舞台版では、確か手荷物をひとつだけ持っていた演出だったように記憶していますが、もちろん、そういう問題ではありません。

100年前に、中国の作家魯迅が、『人形の家』のノラはその後、どうなったのか…女学生に向けて講演をしているそうです。

100年経った日本でも、私には何も変わっていないように思えます。


ラストシーンのノラのシルエットが、頭から離れず、とても苦しい。


衝撃を受けました。
(もちろん、戯曲を読み返したい。)

そして私は、「その後のノラ」を支える仕事を一生したいと、心から思いました。


余談ですが、「戯曲は読みにくい」と言われますが、あれは慣れです。私はたまたま幼い頃から台本だったり戯曲を読んでいたので、特に読みにくいと感じません。

私にとっては、現実世界の方が、よほど理解し難く、非常に騒がしく、生き難いのですが、歌や芝居の中に、自分が感じている世界をみつけられると、本当に救われます。

文学座の研究所を辞める際に、お世話になった演出家の方に「舞台をやめても本を読みなさい」と言われて、当時はよく分からなかったのですが、今ならわかります。

今日は、私の現実世界で、いろんなことがありましたが、「その後のノラ」は一生忘れられない、私の大切なテーマとなりました。

あまりの悲しみと衝撃を、どうしたら良いものか…